ファーストリテイリングのビジネスモデルと強み【個別株投資】

企業分析

当サイト賢者の投資は投資する際にどんな企業なのかざっくりわかる記事を発信しています。就活にも役に立つかと思いますので読んでいただければ嬉しいです。

今回はユニクロとGUを運営している企業、ファーストリテイリングについてご紹介します。

ビジネスモデル:生産について

企業分析において最も重要なのは、どのようなシステムで利益を上げているか、低コストで経営するためにどんな工夫をしているかということを把握することです。

ファーストリテイリングのビジネスモデルと生産システムについてご説明します。

一貫生産体制

ファーストリテイリングの大きな特徴は、企画、計画、生産、物流、販売を一貫して行っていることです。

他社では、デザインや材料だけ決めて製造は外注していたり、小売店に卸して物流と販売は関与していなかったりします。

業務を一貫して行うことのメリットは、店舗から得た顧客からの要望や新しいニーズに気づいたときに、即座に商品開発や生産に反映することができるということです。

外注先が多いとそれぞれの会社間の意思疎通がうまくいかず、生産が滞る可能性がありますが、一貫生産体制ならそのような状況を回避することができます。

しかし、デメリットもあります。それはヒト、モノ、カネ、といったリソースが分散されてしまうということです。

ユニクロと同じように開発から販売まで一貫して行っているインテルの例で説明しましょう。

インテルはファーストリテイリングと同じように一貫生産体制のメリットを最大限に活かして、業界一強のポジションを維持してきました。

しかし、そこにAMDという、開発だけを行う会社が現れました。

AMDは自社で工場を持っていないため、固定費や設備費がインテルに比べて安く済み、資本や人材を開発だけに注ぐことができます。

圧倒的なスピードでインテルの技術に追いつき、ついにはインテルからCPU業界シェアの20%を奪っていきました。

このように、リソースが分散されることにより業績にマイナスの影響を与えることがあります。

仕入れについて : 規模の経済性

ファーストリテイリングでは低コストで材料を仕入れるために、仲介業者を利用せず、世界中の素材メーカーと直接交渉することによって高品質な素材を仕入れています。

仲介を挟まなければ手数料を取られることもありませんから、その分コストを抑えることができます。

一般的に、大量に仕入れる代わりに割引価格で取引するということが様々な企業の間で行われています。

また、大量生産する場合、設備や人材が最適化され、商品一単位あたりの製造コストを抑えることができます。

これを規模の経済性といいます。

大企業であるファーストリテイリングはその資本力を最大限に活かして、高品質な材料を安く大量に仕入れると同時に、低コストな生産を実現しているというわけです。

海外で生産する

コストを抑えるための工夫はまだあります。

それは、中国、ベトナム、バングラデシュ、インドネシアなどの国に工場を建てることによって人件費を抑えるということです。

とはいえ、労働者を低賃金で粗雑に扱っているわけではなく、世界どこであろうと同じ労働に対しては実質賃金も同じになるような仕組みにしています。

新興国は日本に比べて物価が安いですから、安い賃金でもそれなりに暮らしていくことができるのです。

マーケティングについて

ここからは、ファーストリテイリングがどのように顧客の消費意欲を刺激しているか、どのような戦略で商品を売っているかについてご説明します。

安くて高品質な”ユニクロ”と低価格で流行を追いかける”GU”

究極の普段着”Life Wear”というのがユニクロのコンセプトであると公式に宣言している通り、ユニクロでは機能性を重視し使いやすい商品を高品質で手頃な価格(2000円~15000円)で販売しています。

流行を追わずにベーシックなアイテムを長期間使いたいという需要を発見しうまく満たしています。

GUではトレンドに対応した商品を比較的安い値段(2000円~5000円)で販売しています。

流行というのは変化していくものですから価格設定はユニクロより安くなっています。

ユニクロもGUも、新商品を出すときは、20%~30%割引することで、初めて買うという心理的な壁を低くし、その後のリピート買いを狙います。

また、ファーストリテイリングはネット通販と実店舗をうまく共存させています。

ユニクロやGUのサイトから注文した商品を実店舗で受け取れば送料は無料になります。

実店舗に足を運ぶ動機を生み出すことで店舗にあるほかの商品を買う可能性を高めています。

ファーストリテイリングは、ECサイトからの注文による売り上げの割合は今後大きくなると考えており、実店舗は顧客への情報発信の場になると捉えているようです。

ユニクロとGUの相乗効果

ベーシックなアイテムを長く使いたいという人をターゲットにしたユニクロに対し、GUは、最新の流行を取り入れたファッションを楽しみたいという、ユニクロとは真逆の需要をターゲットにしています。

このターゲットの相違により、ユニクロとGUはお互いの顧客を奪い合って自滅することを避けています。

どちらも取り扱う商品は衣料品ですから、必要な材料や設備は同じです。

つまり、2つのブランドの仕入れと製造をまとめて行えるので、先ほど説明した規模の経済性をさらに活かすことができるのです。

さらに、イオンなどに買い物に行くと気づくかと思いますが、ユニクロとGUは近い場所に併設されていたり、同じ店舗に入っていたりしますよね。

これは顧客がトレンドに沿った商品をGUで探し、それに合わせるベーシックな商品をユニクロで探すという行動をスムーズに行うことができるようにするためです。

これによって、お互いのブランドの強みを生かして企業全体の売り上げを増やすことができるのです。

財務状況

売上
(百万円)
営業利益
(百万円)
営利前年比
(%)
営業利益率
(%)
EPS
(円)
EPS前年比
(%)
自己資本比率(%)ROE
(%)
20141,382,935130,4029.43731.5162.312.5
20151,681,781164,46326.129.781,079.4247.5664.516.1
20161,786,473127,292-22.607.13471.31-56.3446.47.3
20171,861,917176,41438.599.471,169.70148.1852.718.3
20182,130,060236,21233.9011.091,517.7129.7544.219.4
20192,290,548257,6369.0711.251,593.204.9746.718
20202,008,846149,347-42.037.43885.15-44.4439.79.5
20212,132,992249,01166.7311.671,663.1287.8944.516.4
20222,301,122297,32519.4012.92891.77-46.3849.120.4
20232,766,557381,09028.1713.77966.098.3355.117.5
売上.営業利益の単位は百万円

過去10年間のデータをまとめました。売上、営業利益ともに成長しているのがわかります。

営業利益率

まず最初に見てほしいのが、営業利益率です。

10年間の営業利益率を平均すると10.4%になります。

業界平均が3.9%ですのでファーストリテイリングの営業利益率は高い数値であることがわかります。

営業利益率は売上に対する営業利益の割合。高いほど経費を抑えて売上を上げていることになる。

営業利益 = 営業利益 ÷ 売上 × 100

ROE

次にROEですが、10年間の平均は15.54%になります。

業界平均ROEが7.78%ですから、こちらも高い数値であることがわかります。

ROEは自己資本に対する純利益の割合。高いほど自己資本を効率よく使えていることになる。

ROE = 純利益 ÷ 自己資本 × 100

自己資本比率

自己資本比率の欄をみると、10年間40~64%で推移しているので経済情勢に関わらず資産状況は安定しています。

自己資本比率とは、総資産に対する自己資本の割合。高いほど倒産しにくい。

50%前後あれば安定していると考えられる。

自己資本 = 総資産 ÷ 自己資本 × 100

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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私はビジネスモデルや財務状況を読み解くことで企業価値が増大していく企業を探しています。

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