半導体業界の老舗インテルの強みと今後の動き【個別株投資】

企業分析

当サイト賢者の投資は投資する際にどんな企業なのかざっくりわかる記事を発信しています。就活にも役に立つかと思いますので読んでいただければ嬉しいです。

今回はCPU業界を牽引してきた企業、インテルについてご紹介します。

何をしている企業?

インテルはPCに必要不可欠なCPUと呼ばれる部品を製造している企業です。

業界の草創期からこの分野で活躍し、一時はWindowsを提供しているマイクロソフトとともに業界トップに君臨していました。

インテルの最大の特徴は、開発、設計、製造、販売を自社で担っていることです。

すべてを自社で行うことを半導体業界ではIDMと呼ばれています。

IDMのメリットは、業務の間に発生する外部コストを抑えることができることです。

外注したり仲介業者が絡むとその分手数料などが取られますが、IDMであればそのようなことはありません。

また、すべての業務を管理できるので高品質を維持しやすいというメリットもあります。

このメリットを活かして業界トップを走り続けていたわけですが、最近になって雲行きが怪しくなってきました。

半導体業界の分業化。ファブレス企業とファウンドリー企業。

開発だけを行う企業と製造だけを行う企業が多数出現しました。

開発だけ行い自社で工場を持たない企業をファブレス企業といいます。

主なファブレス企業は、AMD, Nvidia, Qualcomm, Broadcomなどが上げられます。

それに対して製造だけ行う企業はファウンドリー企業と呼ばれています。

主なファウンドリー企業は、TSMC, Texas Instruments, Global Foundriesなどです。

1つの工程を専業で行うメリットは、それだけに資本や人材を注ぎ込むことができることです。

それによって、技術の進歩を早めることができます。

ファウンドリー企業であるTSMCは製造技術を極め、世界最高の技術を持つ企業となりました。

また、ファブレス企業の場合、莫大な投資を必要とする工場を持たないため低コストで経営することができます。

その結果、AMDはインテルよりもコスパの良い商品を提供しており、市場シェアの20%を奪っていくことになりました。

インテルの時代は終わりなのか?弱みでもあり強みでもある工場

工場を持っていることによりリソースが分散され開発力で遅れをとったインテルは自社の強みを活かすことにしました。さらに追加で工場を作ったのです。

なぜ開発が遅れる原因となった工場を増やしているかというと、工場を持っているということ自体がインテルの強みだからです。

工場というのは莫大な投資が必要となります。例を挙げると、2023年の6月にイスラエルに建設するために投資した金額は約3兆5,000億円でした。

他にも、アメリカ国内やヨーロッパで建設を進めています。

建設するのに莫大な投資が必要ということは、それだけ参入障壁が高いということになります。

また、製造のためには高度な技術、ノウハウが必要になるのでそれも参入障壁となります。

これまでの事業から得た技術と資本力という自社の強みを活かして、ファウンドリー企業としての道を進みだしたのです。

ファウンドリー企業としてのインテル

ここで問題になってくるのがファウンドリー最強のTSMCとどのように戦っていくのかということです。

TSMCは台湾の企業ですから、工場はアジア圏に集中しています。

それに対してインテルの工場はアメリカとヨーロッパに集中しています。

近年、中国の台湾侵攻のプレッシャーが高まっており、製造を委託するファブレス企業としては地政学的なリスクを分散させたいというインセンティブがあります。

アメリカに工場が多くあるインテルはその需要に対応しようと考えているのです。

また、ファブレス企業の多くはアメリカにあり、同じ国内の企業のほうがコミュニケーションが取りやすく、輸送費も抑えられるため委託しやすいというメリットもあります。

アメリカ政府も自国の企業が成長するほうが国益に結びつくので協力してくれます。

例として、アメリカ政府はCHIPS法を規定しました。

国内の半導体製造能力を高めるために約527億ドルを充てるというものです。

これは中国との長期的な競争を意識したもので、米国企業であるインテルもこの恩恵を受けています。

インテルは、2030年までにファウンドリー業界において世界2位になることを目指しています。

インテルの財務状況

インテルの過去10年の決算をまとめました。以下の表をご覧ください。

売上
(百万ドル)
営業利益
(百万ドル)
営利成長率
(%)
営業利益率
(%)
EPS
(ドル)
自己資本比率(%)ROE
(%)
20135270812,291-16.0323.321.9463.0816.5
201455,80715,34724.8627.502.3960.7521
201555,35514,002-8.7625.292.4159.2718.7
201659,38712,874-8.0621.682.1858.4415.6
201762,76117,93639.3228.582.045613.9
201870,84823,31630.0032.914.5758.2728.2
201971,96522,035-5.4930.624.7756.7727.2
202077,86723,6787.4630.414.9852.9325.8
202179,02419,456-17.8324.624.8956.6420.8
202263,0542,334-88.003.701.9556.727.8

営業利益率

まず営業利益率ですが、平均すると24%です。

AMDの2017年からの平均が10.3%ですのでCPU事業としては高い数値です。

TSMCやテキサス・インスツルメンツが40%で有ることを考えるとファウンドリー事業が本格的に拡大していけばもっと高い営業利益率になるのではないかと思います。

営業利益率は売上に対する営業利益の割合。高いほど経費を抑えて売上を上げていることになる。

営業利益 = 営業利益 ÷ 売上 × 100

ROE

ROEの平均は19.55%です。

AMDの平均は22.7%ですので若干低いですが工場建設のための投資により純利益が減っているのでその影響はあるかと思います。

ROEは自己資本に対する純利益の割合。高いほど自己資本を効率よく使えていることになる。

ROE = 純利益 ÷ 自己資本 × 100

自己資本比率

自己資本比率は55%~65%くらいで推移しており非常に高水準です。

自己資本比率とは、総資産に対する自己資本の割合。高いほど倒産しにくい。

50%前後あれば安定していると考えられる。

自己資本 = 総資産 ÷ 自己資本 × 100

個人的な見解

あくまで私の考えであり投資を推奨するものではございません。

AMDに開発力で遅れたこと、製造技術がTSMCより劣っていること、莫大な投資による現金の減少により株価が大きく下落しており、現在非常に割安な株価であると考えています。

半導体の市場規模は自動運転、IoT、インターネット上のデータの増加により今後更に拡大すると考えられます。

そして、自社のサービスにマッチした仕様の半導体がほしいという需要が様々なIT企業で高まっています。

AmazonやGoogleなどのインターネット上でサービスを提供していた企業が独自の半導体を作るようになり、ファウンドリーに対する需要は高まっていくのではないかと思います。

インテルのこのファウンドリーへの方向転換は正しい判断であり、今後の成長を見込め、財務状況も悪くなく、株価も割安であるというのが私の見解です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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私はビジネスモデルや財務状況を読み解くことで企業価値が増大していく企業を探しています。

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